今回は雅号の命名をテーマに解説していきます。教室に通っている人は先生・師匠に雅号を命名してもらうことが多いと思いますが、雅号は自分で命名することも可能です!
雅号についての基礎知識はこちらの記事を参考にしてください。

雅号の命名と聞いて、こんな疑問が浮かんできませんか?

・ルールはあるの?
・専門知識は必要?
・苗字との相性とかもある?
・具体的にどうやって雅号は決まっていくの?
こういった疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 雅号が決まるまでの流れ
- 一般的に認識されているルールは2つ
- 専門知識はなくてOK
- 「苗字+雅号」の響きも大切
- 雅号の決め方【具体例】
では解説していきます。
雅号が決まるまでの流れ
雅号を命名する手順は、命名する人によってもさまざまですが、だいたい次のような流れになります。
- 雅号に入れたい文字をリストアップする
- バランスの良い字と組み合わせて、候補をいくつかリストアップする
- 楷書以外の書体にしたときの字形を調べる
- 苗字と合わせたときにしっくりくるものを選ぶ
だいたいこういった流れになります。
ルールは2つ
雅号を命名するにあたって、厳密なルールはありません。しかし、一般的に認識されていることが2つありますので、本記事ではそれを「ルール」として解説していきます。
ルール1:漢字であること
雅号の多くは漢字で命名されます。私なりの解釈ですが理由はおそらく、作品の本文(メインである文字)に漢字が使われることが多いので、サインとして雅号を入れるとき、雅号がひらがなだと画数が少ない分、本文の漢字の圧に負けてしまうからです。

ルール2:二文字であること
これも絶対的なルールではないので、例えば三文字でも問題ありませんが、作品に書くときは「○○」と雅号のみの二文字や「○○書」と三文字で収めた場合が本文とのバランスもよく、作品としてもまとまります。

専門知識はなくてもOK!
専門知識は特にいりません。しかし、作品に書くときは行書や草書で書くことが多いので、書道字典で確認しましょう。
また、雅号に入れようと思っていた漢字の意味が思っていたものと違っていることもあるので、漢字辞典で調べることをお勧めします。
「苗字+雅号」の響きも大切
書家として名乗るときは「苗字+雅号」で名乗っている人が多いです。実際に苗字と合わせて口にしてみましょう。 もし、めっちゃ気に入った雅号がどうしても苗字と合わない場合、私だったら雅号のみで名乗っちゃいます。
また、結婚して苗字が変わると、雅号との響きがしっくりこなくなることもあります。私は結婚したことで、もともと持っていた雅号が苗字と合わなくなったので、新たに雅号を考えました。
ここで、雅号って新たに考えたりして、いくつも持ってもいいの?と疑問に思った人もいると思います。結論、雅号はいくつ持ってもOKです。理由は最後に解説するので、今は可能だという事だけ理解してもらえばOKです。
雅号の決め方【具体例】
ここからは実際どのようにして雅号を決めるのか、具体例とともに解説していきます。
STEP 1 : 雅号に入れたい文字をリストアップする
どいう漢字を使うかは自由です。例を挙げると
- 自然に関する文字
- 自分の好きなものに関する文字
- 自分にゆかりのある土地名から一文字とる
- 師匠の雅号から一文字もらう
などです。
例1:自然に関する文字
「春」「雪」「風」「月」「岳」「雲」などです。部首に分けて調べてみると近い意味の漢字も見つかり候補の幅が広がります。
草冠→「花」「華」「葉」など「蘭」「菫」など花の名前もたくさんあります。
木部→「桜」「桃」「樹」「杏」など。
水部→「泉」やさんずい偏の「海」「涼」「湖」など。

ぼくはツキノワグマだから「月」を入れたい!
例2:自分の好きなものに関する文字
色→「紫」「緑」「青」など。和名も調べてみると「藍」「朱」「緋」などもあり趣がありますね。
動物や虫→「猫」「蝶」「龍」など。
また、趣味などでもOKです
音楽→「奏」「琴」「韻」など。 旅行→「旅」「航」など。

私個人としては漫画やアニメキャラ、ドラマや映画の登場人物の名前をもらってもいいと思います。しかし、漢字二文字のキャラ名を丸パクリするのはお勧めしませんので、名前から一文字だけを取るか、名前の読みをそのままにして漢字を変えたりしてみましょう。
例3:自分にゆかりのある土地名から一文字取る
京都の「京」だと上品だし、福島や福岡の「福」はおめでたい字でもあります。 もっとざっくりと「東西南北」でもOKです。

南の島が大好きだから「南」もいいなぁ。
例4:師匠の雅号から一文字もらう
師匠や先生の雅号から一文字もらう方法もあります。ただし、勝手にもらうよりはきちんと相談するのがマナーかと思います。場合によっては断る先生もいるかもしれません。

ここまでで、雅号に入れたい文字をリストアップすることが出来ました!
STEP 2 : バランスの良い字と組み合わせて、候補をいくつかリストアップする
ここからは漢字二文字にしていく工程です。先ほどリストアップした文字を組み合わせたり、別の字を付け足したりします。

ぼくは「月」と「南」を組み合わせて「南月(なんげつ)」にしようかな?
例1に合う響きになるように文字を付け足してみましょう。
桜→「桜扇(おうせん)」 杏→「杏華(きょうか)」 海→「海耀(かいよう)」 湖→「翠湖(すいこ)」など。

ちょっと待ってください。「扇」とか「翠」とか、どっからでてきたんですか?

これは漢字辞典をべらべらめくって探しました。「王偏」は立派な字が多いし、「せん」や「すい」など、ひらがなの読みから探す方法もあります。「さい」「えい」も響きがカッコいいのでおすすめです。「らん」「れい」などの「ら行」は上品な響きになりますね。
良い意味の漢字を使いたいので、しっかり意味も調べましょう。
例2:蝶→「彩蝶(さいちょう)」 奏→「奏煌(そうこう)」 航→「航瑛(こうえい)」
例3:京→「京蓮(きょうれん)」 福→「福瑞(ふくずい)」などです。
これは、とにかく考えるよりべらべら辞書をめくって探していった方が早いです。

先生どうしよう…ぼく「南月」っていいなぁって思ったんですが、雅号って画数多めにもっとゴテゴテさせたほうがいいんですか?
どちらか一文字諦めて、画数が多い文字を入れて、ゴテゴテさせた方がカッコいいのかな?
でも「月」も「南」も、ぼくにとっては大切なんだ…

いい雅号ですね。画数が少なくても、文字が細くなったり小さくなったりせず、しっかり書けば大丈夫。
STEP 3 : 楷書以外の書体にしたときの字形を調べる
次は候補の雅号の書体を調べてみましょう。書道字典で調べれば一文字ごとに「楷→行→草→隷→篆」の順番で載っているので便利です。

ちなみに「南」と「月」の草書はこんな感じになります。

「南」は四角の字形で「月」は縦長な字形。
書道では字形に変化がある方が良しとされているので、
見た目もいいと思いますよ。

画数が少ない字になったけど、ぼくは初心者だから書きやすそうで気に入りました!
STEP 4 : 苗字と合わせたときにしっくりくるものを選ぶ
候補がいくつかできたら、実際自分の苗字とあわせて口にしてみましょう。自分の作品にサインとして雅号を入れるときは、基本的には苗字は書くことはないので、字面は気にせずOKです。
気になる人は、同じ偏が続いてしまったり、偏と旁ばかりの名前になってしまわないように候補から選んでみるのもいいと思います。
自分の耳で聴いて響きの気に入ったものを雅号にしましょう。
【おわりに】雅号はいくつ持ってもOK!だけど…【大切なもの】

先生、雅号は「いくつ持ってもいい」って言ってありましたけど、どういうことですか?

雅号は、趣味や嗜好から命名されることが結構あります。
でも、年齢を重ねていくと、趣味や好みも変わってきます。
その場合、新たに雅号を命名してもいいんです。

そうなると、前の雅号は消えちゃわないんですか?

そんなことはありません。雅号は使わなくなってしまたとしても、消えたりしませんよ。

そうなんですね。
ぼく、スニーカーが好きなんですけど、小さくなって履けなくなったスニーカーも綺麗にして保管してます。だって思い出も詰まってるし、大切なんだ。そんな感じですか?

そうです。
そして私の感覚として雅号は、格安スニーカーを10足じゃなく、特別なエアジョーダン3足です!
女性であれば、ちょっとお高いバッグやアクセサリーに例えてもらってもいいです。
自分へのご褒美や、大切な人からの贈り物をイメージしてください。

特別なんですね。
ぼくは気分でスニーカーを選んだりするんですけど、雅号も気分に合わせて使い分けてもいいんですか?

雅号はニックネームだから、現実的にはそれでもいいけれど、せっかく色々考えて悩んで命名した大事な雅号だから、個人的にはコロコロ変えるよりは一つひとつの雅号としっかり向き合う期間を作ってほしいです。特に雅号を活動名にする場合は、変えない方がいいかもしれませんね。

わかりました。ぼく「南月」に決めます!自分の雅号を大切にします!
どうでしたか?命名の仕方は一例なので、ざっくりとでも理解していただけたら嬉しいです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

