
今日は唐の四大家について勉強しましょう

この前、初唐の三大家で3人の書道家さんたちを勉強したばかりなのに、今度は4人ですか?覚えれるかな?

くうちゃん、大丈夫ですよ。
「初唐の三大家」と言われる、欧陽詢・虞世南・褚遂良に、顔真卿という人を加えた4人のことを「唐の四大家」と言います。

初唐の三大家については下の記事でチェックしてね
ということで、今日は顔真卿について勉強しましょう。
生涯
顔真卿は初唐の三大家(欧陽詢・虞世南・褚遂良)が活躍した時代から100年ほど後に生まれました。
顔が姓、真卿が名です。
顔家は代々、学者や皇帝のもとでお仕事をしていた名家でした。
しかし、真卿は幼くして父親を亡くしてしまい、生活は苦しかったそうです。
そんな中でも顔真卿は、とても努力家で勉強熱心な子に育ちました。
その甲斐あって顔真卿は、当時最難関と言われていた国家試験「科挙」に若くして合格し、国のためにお仕事をすることになります。
しかし、安史の乱という戦で甥を亡くすという悲しい出来事があったり、多くの親戚も処刑されたりと辛い思いをしています。

そんな…

かなりキツイな…
顔真卿は非常に真面目で正義感の強い人でした。
自分の正義をつらぬき、一歩も譲らないこともあったそうです。
そのため、正義感の強い顔真卿は、ときに必要とされ立派な仕事を任されたり、ときにウザがられ左遷されたりと、かなり上がり下がりの激しい生涯だったようです。

「させん」っていうのは、田舎へ飛ばされることだったね
顔真卿が70代のおじいさんになったとき、国のお偉いさんから反乱軍のリーダーを諌めてほしいと頼まれました。

いさめるって?

反乱軍は国に対して怒っている人たちだから「国に協力してもらえませんか?」ってお願いすることです

それって、すごく危険なんじゃないのかしら…
顔真卿は、自分の身が危険だということもわかって反乱軍の元へ行きました。そしてそのまま捕えられてしまい、77歳のときに殺されています。
一年後、顔真卿の棺は先祖の墓地に合葬されました。多くの人が、正義をつらぬいた顔真卿の死を悲しんだそうです。

勇敢で立派な人だったんだ。なんだかぼくも悲しい…

大昔は国が安定するまで、争い事が絶えなかったので、犠牲になった人たちが大勢いたんです

頑固なところもあった顔真卿ですが、彼の正義感に多くの人が助けられました
では、そんな顔真卿の書を見ていきましょう。
代表作
実は、顔真卿の書は多く残されていて
- 顔氏家廟碑
- 祭姪文稿
- 祭伯文稿
- 争坐位文稿
などがあり、一作一作の表情が異なっていることから、顔真卿の書は一碑一面貌と言われています。
今回はその中で最も顔真卿らしいと言われている作品を紹介します。

左が「たほうとうひ」、右が「けんちゅうこくしんじょう」と読みます。
多宝塔碑には、中国のお坊さんが千福寺というお寺に多宝塔を建て、法華経を書写して納めたことなどが書いてあります。

その、多宝塔っていう塔はなんのために建てられたんですか?

お釈迦さまの遺骨が納めてあります。塔はでっかい仏壇のような存在かもしれませんね
建中告身帖は、建中元年に顔真卿が皇太子の教育係に任命された時の辞令書です。顔真卿が自分で書いたものとされ「自書告身」とも言われます。
文字の特徴
顔真卿の文字を見て、どんなことろが特徴だと思いますか?

太くて、堂々としています!

始筆や終筆に丸みがあるようです

右ばらいが…すごく特徴的です

みんなよく特徴を捉えていますね。一つ一つ見ていきましょう
太くて安定感のある縦画
顔真卿の文字は、特に縦画がどっしり太いため、文字全体が安定しています。

縦画を太く書くと、顔真卿のような安定した文字になります
蚕頭燕尾
顔真卿の文字の特徴としてよく言われるのが蚕頭燕尾です。
始筆や終筆が蚕の頭のように太くて丸く、
右ばらいの終筆が燕の尾のように2つに分かれてる。という意味です。


蚕の頭って…もうちょっとカッコいい言い方はなかったのかしら…
実は、顔真卿の書はこの時代なかなか受け入れられないものでした。

え?それじゃ、半分は悪口みたいなもんじゃん!
やはり欧陽詢・虞世南・褚遂良も学習した繊細で上品な王羲之の書が伝統的で美しいとされていたので、その伝統を打ち破る顔真卿の書は奇抜に見えたのでしょう。

王羲之の書については下をチェックしてね
顔真卿の書が評価されるようになったのは、顔真卿が亡くなって300年ほど経ってからでした。

そんなぁ…とってもかっこいい字なのに

ちょっと悲しいですね。でも…
この蚕頭燕尾は明朝体というフォントのモデルになっていて、私たちにとっては馴染みのある文字なんです。


ほんとだ!よく似ています

明朝体って本や教科書によく使われるフォントよね?
他の点画も明朝体と形が似ているところがあります。特徴的な部分に印を付けてみたので、ぜひ一度じっくり見比べてみてください。

文字から受ける印象
顔真卿の文字は特に縦画が太く書かれています。
また、蚕頭燕尾と言われ始筆や終筆が蚕の頭のように丸く、右ばらいの終筆はツバメの尾のように2つに分かれています。

形は独特だけど、どっしりと安定していると思いませんか?
また、顔真卿の蚕頭燕尾は「顔法」と言われます。

ぼくは、顔真卿さんの右ばらいがかっこいいと思いました!

私は、明朝体を改めて観察してみるわ

顔真卿のしっかりした正義感が、書に現れてると思います

今日の授業はここまでです。みなさん、お疲れさまでした!
まとめ
顔真卿
唐の四大家のひとり
代表作:「多宝塔碑」「建中告身帖」「顔氏家廟碑」「祭姪文稿」など

紹介しきれなかった作品もたくさんあるので、ぜひ調べてみてくださいね
特徴:太くて安定した文字、蚕の頭のような始筆・終筆、燕の尾のような右ばらい
キーワード:一碑一面貌、蚕頭燕尾、顔法





